神奈川発!『3033運動』を始めてみよう

2018年の「住みたい街ランキング関東版」は、横浜市が初めて1位を獲得し話題になりました。洗練された街のイメージや、住みやすさが広い地域の人に魅力的に映った結果のようです。

さて、そんな横浜市がある神奈川県は、県民が健康でいられるように『3033運動』を推進しています。『3033』は『30』、『3』、『3』に分解できて、それぞれ運動したい期間を表しているのですが、何を指しているのかわかりますか?

3033運動って何?

答え合わせから話を進めましょう。

神奈川県のHPによると、『3033運動』は、“1日30分、週3回、3ヶ月間継続して運動やスポーツを行い、運動やスポーツをくらしの一部として習慣化する”というキャンペーンです。

病気をせずに健康長寿を達成するためのカギは運動にありますが、あんまり肩に力を入れて何かスポーツを始めようとしてもなかなか継続できないものです。

運動は1日や2日やったからといって身体が変わるはずもなく、継続して初めて他に代えがたい健康効果が得られるので、1日30分、週3回というのは少なすぎるようにも感じますが、長い目でみればちょうど良いのかも知れません。

とにかく、気軽に身体を動かす習慣を身に着けて、3ヶ月間継続することが大切です。そうすれば、「体力が向上した」「体調が良くなった」など何かしらの運動効果が実感できるようになっていくので、うんと続けやすくなるはずです。

「いつ?」よりも「どんな?」の方が大切 ポイントは“楽”から“ややきつめ”

ただ、どんな運動でも良いわけではありません。健康維持・増進を狙うなら、それなりの運動量が必要になってくるということも、もうすっかりお馴染みの話なのではないでしょうか。厄介なのが「それなり」という言葉。具体的にはどんな運動を指しているのでしょうか。

どのような運動をどの程度したら良いのかは、人によって年齢や体力が異なり、同じ運動でも苦しさを感じる度合いも違うので、一概にまとめることはできません。そうなると、「それなり」というあいまいな基準はとたんに難しい話になってしまいます。

そこでスポーツトレーニングや医療の世界では、運動の「きつさ」を本人の主観を元に数値化したボルグスケールというものが良く使われます。ボルグスケールでは、きつさの程度を20段階にわけ、安静状態を6、最大の疲労困憊状態を20としていて、数字を10倍するとほぼ心拍数と対応しているのが特徴です。

さて、あまり楽な運動だと健康づくりや体力の向上の意味合いが薄くなってしまうことはすぐにわかりますが、逆に激しすぎる運動は身体への負担が大きく、年齢が高くなるほど健康的ではありません。健康に最も適した運動はボルグスケールでは11~13の範囲にあたり、運動強度は楽からややきつい程度に相当します。ちょうど薄っすら汗がにじむ程度の運動が当てはまります。

また、1日30分の運動はいっぺんに行う必要はなく、例えばACSM(アメリカスポーツ医学会)では、1日10分以上の身体活動を合計30分できればいいとしてします。

少しずつの運動でも、合わせて30分できれば良いということなので、よくいわれることですが、電車を使うときには目的地の一つ前で降りて歩くとか、エレベーターを使わずに階段を上るとか、少し速足で歩くといった定番の運動はとても効果的です。

ボルグスケールは寝たきり予防にも活用できる

さらに、ボルグスケールは要介護状態の大きな要因である寝たきり予防にも役立てることができます。寝たきりになってしまう原因は、大きな病気やケガ以外では脚の筋肉、それも速筋繊維が小さくなったり少なくなったりしてしまうことです。

実は、速筋は負荷の小さな有酸素運動では刺激することができず、散歩や軽いジョギングでは鍛えられない筋肉。これが軽い運動だけやっていたのでは不十分であるといわれる理由の一つです。ただ、これも年齢や体力によって基準が変わってしまうので、一概にこの運動がいいということができません。

そこでボルグスケールに当てはめれば、その人にとってどの程度の運動から速筋を鍛えることができるのかを知ることができるというわけです。ちょうど、ボルグスケールの13が有酸素運動と無酸素運動が切り替わるポイントだといわれているので、速筋を鍛えたいときには13を超えた運動をすれば良いことになります。

1日30分の運動の中に、ボルグスケール13を超える運動を意識的に5分間だけ取り入れてみると効果的です。始めの5分は「楽」に、次の5分は「ややきつく」、さらに次の5分は「もうすこしきつく」、最後の5分は「楽」な運動で息を整えるといったプログラムを組んでみると良いのではないでしょうか。

神奈川県のHPに行けば、すきま時間にできる『3033スキマヨガ』の紹介動画も公開されています。楽に、軽く、でも続けるというのが『3033運動』の真髄です。3がたくさん並んだ運動ですが、三日坊主に終わらせたくはないものですね。