旅先で宿泊すると急に眠れなくなったり、起き抜けに肩こりが気になったりすることがあります。
詳しく話を聞いてみると、どうも宿泊先の枕が合っていないのが原因だと考える人が多いようです。
マイ枕を持参しなければ安眠できないという人も一定数いて、睡眠に関するトラブルと枕には深い関連性があるようです。
実際、枕は良い睡眠を促すことも、睡眠を妨害してしまうこともあります。
いい枕にめぐり合うことはそのまま睡眠の質を高めることにもつながるのです。
ここは一つ、ポイントを整理してじっくり枕を選んでみませんか。
合っていない枕の見分け方
いい睡眠は枕から。枕は頭を下から支え、寝ているときに楽な姿勢を保つ役割をしています。
やってみればすぐわかるとおり、枕を使わずに寝ようとすると頭が落ちて息苦しく、肩や首も窮屈に縮こまってしまい、とても快適とはいえません。
枕が姿勢を安定させてくれるから、私たちは楽に寝転んだり寝返りを打ったりすることができるのです。
そこで気になるのが、今使っている枕が果たして自分の身体に合っているのかということ。
枕は第一に使用感が良いことが前提条件です。
硬さ、さわり心地は自分が気持ちいいと思えるものでないと、いくら形が良くても良い睡眠には結びつきにくいようです。
これをクリアしたら、次に見極めるべきチェックポイントは3つ。
1つ目はあごの位置
枕を使っているとき、あごが上がったり、逆に下がったりして呼吸が妨げられていないかを確かめます。息苦しさを感じたり、視線の位置が極端に上過ぎたり、下過ぎたりする場合、枕の高さがあっていない可能性があります。
2つ目は朝起きたときの枕の位置
動きすぎていたり、頭が枕から外れてしまっていたりする場合にも枕が合っていない可能性があります。
3つ目が起き抜けの肩こり
肩こりが起きるということは枕の高さが合っていないことの表れなのかもしれません。
理想の枕は寝る姿勢別に選ぶ
実は枕は万人にとって良いというものがありません。
首の高さや長さ、そして肩の筋肉のつき方によって理想的な高さが異なるからです。
なので、口コミでどの枕がいいのかを選ぶよりも、実際に店頭で使ってみて上で紹介したようなチェックポイントについて問題がないかを確かめてみるのが一番です。
あくまで参考例としてですが、肩こりを感じやすい人にオススメしたいのは中央部分がへこんだお椀型。縁の部分が首の下にできるスペースにピッタリフィットして、頭を包み込むように支えてくれます。
適切な枕の高さや形は、寝る姿勢によっても異なります。
仰向けで寝るのが最も肩や首に負担がかかりにくいとはされていますが、睡眠中にストレスを感じないことが大切。
眠りやすいと感じる姿勢を変えてまで仰向けになろうとしても逆効果になってしまう可能性もあります。
ただし、横向きに寝る人は枕の高さや形を変える必要があります。
仰向けよりも横向きのときの方が頭の位置が高くなるため、より高さがあるものの中から選ぶようにします。
また、仰向け用の四角い形の枕より、筒状で頭を置く場所だけがへこんでいる横向き専用枕の方がフィットしやすいでしょう。
仰向けの場合でも横向きの場合でも、基本形は力を抜いて立ったときの姿勢です。
この自然な寝姿勢を楽に保つことができるかを確かめましょう。
枕の寿命は数年
どんな枕にも寿命があります。
どんなにフィットしている枕でも、頭を支える形状がへたってきたら安定感が失われてしまいます。
そのため固めのパイプ素材のような長持ちするタイプの枕でも3~4年ごとに買い換えることをオススメします。
もちろん、羽毛や綿のような柔らかい素材ではもっと寿命が短くなります。
自分の体型まで考えて選び抜いた枕はやっぱり寝心地が違うはず。
睡眠の質が上がるだけではなく、肩こりの解消にもつながります。
これからは、自分の寝方や体型に合わせてじっくり選ぶのが枕の買い方の主流になるかもしれません。