スポーツ外傷とスポーツ障害の違い
スポーツは常に怪我のリスクと隣り合わせです。スポーツによる怪我で思うようなパフォーマンスが発揮できなくなる選手や、場合によっては選手生命を断つことになる選手もいます。
そんなスポーツによる怪我は、大きく分けると2種類の怪我があることをご存知でしょうか?
スポーツによる怪我には「スポーツ外傷」と「スポーツ障害」があり、どちらもスポーツによる怪我ですが発生原因が異なります。
スポーツ外傷
スポーツ外傷とは一度の外力により、骨折・捻挫・肉離れなどが発生した状態を指します。例えば選手同士の衝突による骨折や、着地の際に足首を捻ることによる捻挫などはスポーツ外傷に分類されます。
スポーツ障害
スポーツ障害とは軽い力が繰り返し加わり続けることで、疲労骨折や関節炎などが発生した状態を指します。例えば、走り過ぎによる膝や脛骨への痛み、投げ過ぎによる肩の痛みなどのオーバーユースはスポーツ障害に分類されます。
スポーツ外傷・障害を予防する4つの方法
スポーツによる怪我は「仕方ない」と思われている方も多いかもしれませんが、必ずしもそうではありません。しっかりと予防することで、スポーツによる怪我を最大限に防ぐことが出来ます。
1.テーピング
テーピングは関節や筋肉の動きをサポートしてくれる役割があります。過度に動く関節を抑制したり、動きが悪くなっている筋肉の補助をしてくれたり、様々な役割を果たしてくれるのがテーピングです。特に一度怪我をしてしまった部位の再発防止には大きな予防効果を発揮してくれます。
2.ストレッチ(柔軟)
スポーツ前に行うストレッチは、筋肉の温度を高めることで血流促進の効果や、関節を予め動かすことでスムーズにスポーツを開始することができる効果などがあります。
またスポーツ後に行うストレッチには乳酸を早く取り除く効果や、疲労困憊の筋肉や関節をゆっくりと休める効果があるため怪我の予防につながります。
3.筋トレ
適切な筋力トレーニングは、筋肉を付けるだけでなく筋肉のバランスを整えてくれます。バランスがよくなることで筋肉への負担が軽くなり、怪我の予防につながります。
4.栄養管理
筋力を付けるためにタンパク質を摂取する、疲労回復のためにアミノ酸を摂取するなどスポーツと栄養は切っても切り離せない関係性です。日頃から偏った食生活をおくることで怪我をしてしまう選手も少なくありません。まずはバランスの良い食事を心掛けるだけでも、十分に怪我の予防につながります。
万が一怪我をしてしまった場合
どんなに予防をしていても不意な怪我を避けることは困難です。
では、万が一怪我をしてしまった場合にはどのような対応を取れば良いのでしょうか?
最も有名な処置に「RICE処置」があります。
REST(安静)
まずは安静が基本。安静といってもただ寝かせておくだけではなく、必要な処置を行ったうえで安静を保つことが大切になります。
ICING(冷却)
怪我をしている場合、患部は炎症を起こしていることがほとんどです。氷水を20~30分程度患部にあてることで炎症を取り除く効果が期待できます。
COMPRESSION(圧迫)
患部を圧迫することで止血や腫れの抑制効果が期待できます。ただし、症状の経過を見ながら圧迫を行わなければ、かえって悪化させてしまう危険性もあるため適切な判断が必要となります。
ELEVATION(挙上)
患部を心臓よりも高い位置に挙上してあげることで、出血や腫れを最小限に抑制することができます。
まとめ
スポーツによる怪我は日頃からの心掛けで予防することができます。それでも万が一怪我をしてしまった時には、落ち着いて然るべき応急処置をとったうえで、整形外科などの専門医を受診することが大切です。
通院中は焦りや苛立ちからリハビリテーションを途中でやめてしまう選手も多いですが、怪我をした時こそが「怪我をしない身体を作るチャンス」です。
専門家のアドバイスをしっかりと聞いたうえで、リハビリテーションと向き合うことが大切です。